どうも。ご無沙汰しております、すじ肉です。
最近は家ゲーの熱が燃えてきてバイクやブログが二の次になってきているというやばい状況です。
インドア、めっちゃおもしれえ~!みたいな。大学時代の僕ですね。
まあそんなことはどうでもいいんですが、さっき見てきた映画「ジョーカー」はとても・・・なんというか、色んな意味で心に響く映画だったので、感想とかいろいろ書いていこうと思います。
ネタバレと全体の流れを含むので、まだ見てない方はご注意を。
前知識
この映画は、「バットマン」シリーズに出てくる最大の敵、「ジョーカー」が誕生するまでの物語です。
僕のバットマン知識は映画を多少(ビギンズとアイスマンとダークナイトだったかな?)と、アーカムシリーズっていうバットマンのゲームから得たものだけだったので、まあそこまで知識豊富ではないかな?といったところ。
ただ、それでも主人公「ジョーカー」のヤバさは承知していて、ゲームではホンマに苦しめられました。
ゲームの中ではいろんな敵キャラ「ヴィラン」(悪党のこと)が登場して、中には怪物みたいなやつもいるんだけどジョーカーは普通の人なんだよね。
でも、知恵とカリスマと悪運がありすぎて常にバットマン最大の敵、みたいな感じのやつ。普通の人間だけに、すげー不気味。(たまに変な薬で超人化したりするけど)
そんなやつが誕生するまでの物語ってやっぱ気になるじゃん?
そんなわけで、軽い気持ちで見に行ったお!
舞台はシリーズおなじみ「ゴッサム・シティ」
舞台はゴッサム・シティ。
アメリカの栄えてる都市で、ニューヨークっぽい雰囲気。(ニューヨーク行ったことないけどたぶんそんな感じ)
この街は貧富の差が激しくて、大きな社会問題となっています。
物語の最初も貧困問題を流すラジオから始まっていて、とにかくこの街は貧困が深刻な社会問題になっている、と理解できます。
主人公アーサー・フレックも同様で、母親を介護しながら大道芸でなんとか生計を立てている中年男性。たぶんめちゃくちゃ貧乏。
この時点では真面目に仕事をするやさしいおじさんなんだけど・・・
アーサーに降りかかる理不尽が見ていて辛い
そんな彼に様々な出来事が起こります。
ピエロになって楽器屋の閉店セールの呼び込みをする彼。
看板を片手で回したりダンスをしながら客引きをするのだけど、悪ガキに看板をパクられてしまいます。
それを取り返そうと、追いかけるアーサー。
けれども逆に裏路地で待ち伏せにあい、パクられた看板で殴打され、袋叩きにあってしまいます。
ここまでで映画始まって10分ぐらいなんだけど、すでにキツイ。
そして、精神科のカウンセリングを受けるシーン。
仕事は辛い?とか色々聞かれているのだけど・・・なぜか大爆笑するアーサー。
この笑うシーンがね・・・すごい不気味なんですよ。ホアキン・フェニックスの演技が素晴らしいんだけど、まさに狂演って感じ。
このカウンセリングのシーンで「アーサーなにかヤバい人だ」って思うんだけど、どうヤバイのかはまだわかりません。
数日後、事務所(芸能事務所?)に戻った彼は仕事仲間のデブから小包を受け取ります。
その中になんと、銃が入っていました。
「銃なんて危ないよ!」
「自分の身は自分で守りな」
最初は断ろうとしていたけど、結局は受け取ってしまいます。
あー受け取っちゃだめだよー
って思いますよね。
案の定、この銃がきっかけでアーサーは悪に染まる道へ進むことになります。
その直後、事務所社長に呼び出されるアーサー。
「楽器屋の仕事で急にいなくなるし看板なくしたし、どうすんだ?」
「看板を返せ。なけりゃ給料から差っ引くぞ。」
ひどい目にあったばかりだというのに、なぜか自分がつけを払う羽目になってしまいます。怒りの形相に燃えるアーサーだけど、なんとか落ち着きます。
この理不尽な仕打ち、社会人となった今ではよく分かる・・・。辛い。
そんで、バスのシーン。
沈痛な表情で通勤?している彼は前席の少女と目が合います。
その少女を顔芸で笑わせるアーサー。やっぱり彼は人を笑わせるのが好きなようだ。
微笑ましい光景なんだけど、少女の母親には迷惑だったらしく
「やめてください」
と言われてしまいます。
・・・クックック、ハハハハハハ!
直後、バス車内にも関わらず大爆笑するアーサー。
俺もバスに乗ってる人たちも怪訝な表情を浮かべますが・・・彼は一枚のカードを母親に見せました。
「神経の病気で突然笑い出すことがあります」
「読み終わったら返してください。読んでくれてありがとう。」
と書いてありました。
ああ・・・なるほど、アーサーは面白くて笑ってるんじゃなくて、ストレスがかかると笑ってしまう病気なんだ、と。
ここまででだいぶ彼の境遇に心を痛めてたんだけど、さらなる追い打ちが加わります。
彼はあろうことか小児科医院での仕事に銃を持ち込んでおり、芸の途中で銃を床に落としてしまうんです。
事務所所長にもバレてしまい・・・
「なんで銃なんか持ち込んだんだ!?」
「てめえは昔から薄気味悪かったんだよ!クビだ!」
大問題になって、仕事はクビに。
ジョーカーへの第一歩
もらった銃のおかげで職を失ったアーサー。
そして運悪く、帰りの電車内でエリート社会人3人組と、彼らにナンパされる女性に鉢合わせてしまう。
当然、見ていて気持ちの良い雰囲気であるわけがなく・・・。
クックック、ハハハハハハハ!!
と、病気のせいで大笑いしてしまいます。
必死に発作を抑えようとするんだけど、抑えようとすればするほど笑いは止まりません。そしてついに、3人組に目をつけられてしまいました。
電車内で袋叩きにされるアーサー。
またもや袋叩きにされるアーサー。
職を失い、心を病み、生きていく希望のないアーサー。
ついに彼の中の何かが外れて、一人、またもう一人、と
襲ってきた相手を射殺してしまいます。
電車から逃げた3人目も、容赦なく追いかけて殺してしまいました。その形相は、まさに殺人鬼でした。
見ているこっちまでおかしくなるんじゃないかと思うような、ヤバイ演技と演出でした。
ピエロ姿の殺人鬼となった彼。
普通の街なら忌むべき存在になるんですが、エリート社会人を抹殺したことから
貧困層からはヒーローと崇められ、一大ムーブメントを巻き起こします。
良い雰囲気となっていた同じアパートに住む女性も、まるで自分のしたことを正当化するように「この街のヒーローだわ」と言います。
そこから、彼の残虐性がエスカレートしていきます。
唯一信じていた母親は・・・
そんな中、アーサーは彼の母親が富豪「トーマス・ウェイン」(バットマンの父親)に向けて書いた手紙により、母親がトーマス・ウェインと関係を持ち、その結果生まれた子が自分だという事実を知ります。
え?ってことはバットマンとジョーカーって異母兄弟なん??って思うよね。
アーサーはトーマスを「自分を捨てたクソ野郎」だと思って直接話そうとします。
パーティー会場に侵入して話してみると、トーマスは「あのイカレ女の戯言か」と一蹴。アーサーはブチギレるも、一応は父親なのでなんとか落ち着きました。
その後、本当にそうなのか確かめに病院(アーカム・アサイラム)に行くアーサー。
そこで彼は、懸命に介護していた母親が、実は人格障害者であること、自分がトーマスの実の息子ではなく、単なる養子であること、そして母親から虐待を受けていたことを知ります。
(おそらく彼の病気は幼少期の虐待が原因であると思います)
信じていた母親はイカれた病人で、
さらに母親の虐待のせいで自分は精神病になったと理解したアーサーは、
自分自身も母親と同じ境界性人格障害であることを知ります。
良い雰囲気だと思っていた女性も、すべてアーサーの都合の良いように認識していた妄想でした。
えっ?あれ妄想だったの?
見ているこっちがおかしくなりそうな気がしてきます。
そして母親への憎悪が振り切れてしまい、ついに絞め殺してしまいます。
このシーンがまた・・・もうね、生々しくてとにかく気持ち悪いです。
俺が親なら子供には見せたくないね。
自分を縛っていた鎖から解き放たれたジョーカーは、清々しい笑顔を浮かべていました。
本当に笑ったことのない彼が、人生で初めて心の底から笑った瞬間だったと思います。
鳥肌が立ちました。こうやって人はおかしくなっていくんだな・・って。
アーサーにも同情できる部分はあって、見ているこっちまで狂気にあてられていくような感覚を覚えます。
まじで子供はみちゃいけないね。
バラエティー番組生放送にて
まだギリギリで警察に捕まっていないアーサー。
そんな彼ですが、以前出演した舞台?での反響を受け
人気コメディー番組の生放送に出演することになります。(まじかよ)
あこがれの番組、あこがれの生放送、あこがれの司会者。
以前の彼なら喜んで番組に参加したでしょうが・・・彼の脳内は、すでに憎悪で埋め尽くされていました。
ピエロ姿で出演した彼は、なんと生放送中に自分が地下鉄で3人殺したと告白します。
最初は「え?オチは?」っていう雰囲気なんだけど、「オチはない」と言い、やばい雰囲気が漂い始めます。
そしてついに司会者と口論になり、持っていた銃で射殺してしまいました。
「俺には捨てるものがなにもない」
「心に病気を抱えたものが笑い者にされると、どうなるかわかるか?」
いろいろ痛ましいセリフですね。だんだんしんどくなってきました。
途中退席する人もいたぐらい。
そんな感じで、生放送中に名司会を射殺したジョーカーは、ヴィランのヒーロー的存在になっていきました。
街中でピエロの大暴動が発生し、火に包まれるゴッサム・シティ。
バットマンの父親トーマス・ウェインと母親も、その時の暴動でピエロに射殺されてしまいます。
(この町では裕福であるだけで貧困層から憎しみの対象とみなされる)
パトカーの中で火に包まれるゴッサム・シティを見て愉快に笑うジョーカーには、かつての優しいアーサーの面影はどこにもありませんでした。
全体の感想
とにかく狂気。
人が狂っていく感覚がひしひし伝わってきて、こっちまでおかしくなりそうな錯覚に襲われる。
主演のホアキン・フェニックスの演技がまさに狂気で、笑うシーンやダンスを踊るシーンではジョーカーの不気味さが生々しく伝わってきました。
あんま子供にみせる映画じゃないと思います(笑)そもそもR-15だけど。
アメリカでは上映禁止した映画館もあるらしいけど、なんとなくわかる。不安定な人が見たら、ジョーカーの狂気にあてられるっつーか、そういうヤバイ雰囲気がある映画でした。
面白かった!とかいい映画だった!とは言えないけど、すごい映画だったなあ・・・と、そう思います。
以上!みんなも、他人にはやさしくしような!