どうも!
すじにくモータースのすじにくです。
今回はWR250Rのフロントスプロケットを交換した話です。
サクッと交換できるかと思いきや、なんだかんだで3時間ぐらいかかりました…;;
WR250Rでギア比を変更したいワケ
まず、なぜ変更しようと思ったのかについて。
シンプルに、低速トルクがなさすぎるからなんですね。
林道やオフロードコースを走るには低速トルクが欲しいんだけど、WRは高速トルク重視なんで低速トルクがスカスカ。
発進の時も気を使うぐらいなんで、オフではかなり心許ない。
オフで失速するとこんな感じになります。
スプロケットのギア比がロング寄り
WR250Rの標準スプロケット構成はフロント13T、リアが43T。(3.307)
参考までに、オフレーサーのYZ250FXは3.923。
おそらくだけど、フロント14Tのリアが55Tではなかろうか。
スプロケットの減速比のことを二次減速比といいます。
二次減速比が大きいとトルクが増す代わりに、最高速度が減ります。
二次減速比が小さいとその逆。
というわけで、レーサーに比べると明らかに減速比が小さい。
オンロードや高速道路では良いのだけど、オフでは心もとないのよね。
でなわけで、まずはフロント1T落としの12Tに変更することにしました!
フロントスプロケットを13Tから12Tに交換
関東のバイクショップの中で圧倒的なオフロード用品数を誇る、ラフ&ロードでフロントスプロケットを購入。
よっしゃ!これでワイもポンポンフロント浮かせまくったる!!
作業開始!
それでは、WR250Rのフロントスプロケット交換作業を書いていきます。
①カバーを外す
まずはフロントスプロケットのカバーを外します。
六角ボルトの大きさは8mm。
上の二つのボルトはボックスレンチでいけるけど、下のボルトはボックスだと厳しいのでメガネレンチがあると楽。
さて、ここからが本番です。
②カシメを起こす
WR250Rのフロントスプロケットは、ナットにゆるみ止めのカシメが施してあります。
こいつを起こさないといけないんだけど、これがめちゃくちゃ大変だった!!
スキマに薄いマイナスドライバーを入れてハンマーで叩くんだけど、カシメが潰れるだけでスキマが広がっていく感じが全然ない。
ヤマハさんの仕事が良いためか、ギッチリ潰されていてドライバーが全然入っていきません。
ここで一回心折れて考えるのをやめたんだけど、温めたら柔らかくなるんじゃね?って思ってハンダゴテで熱したらイケました。(推奨できる方法ではないですが…やる場合は自己責任でお願いします。)
最後の手段で、ハンダゴテで加熱したら簡単に起こせました😇
ヨッシャ!! pic.twitter.com/m9YyLmSinY— すじにく5150@バイク用 (@sujiniku_motors) October 31, 2020
てな感じで、二つあるカシメのうち一個は無事に起こせました。
ただ、二個目はどうやっても起こせない…。
こりゃ無理だなって思い、筋肉で緩めることにしました。
③リアブレーキを踏ませる
フロントスプロケットを固定しているナットは95Nmで締まっているので、大きな力を加えないと緩みません。
そのため、空回り防止にリアブレーキをかけておきます。
工具箱とジャッキをタイラップでぶら下げて、踏み込ませます。
これで準備OK!
④ナットを緩める
27mmのボックスレンチで緩めていきます。(メガネレンチがベスト)
片側のカシメは有効なままでしたが、わりとあっけなく緩めることができました!
カシメをしっかり起こせなかったので、少しナメちゃってます。
ナットの方はこんな感じ。
カシメる部分にもネジが彫ってあるとは…そりゃ硬いわけだよ。
ここまでいけば、あとは簡単!
…と、思っていました。意外と面倒です。
⑤スプロケット交換作業
スプロケットの交換作業。
リアアクスルを緩めてタイヤを前に押してもチェーンが抜けなかったので、ジャッキアップしてタイヤを取る必要がありました。(‘A`)
普通のジャッキなので結構大変です。
バイク用の買おうかな…
こんなやつ。
そして…
装着!やったー!!ついた!!!
ナットを27mmのボックスとトルクレンチを使って、95Nmのトルクで締めます。
非常に重要な部位なので、しっかりトルクレンチで締めるのが大切!
サンデーメカニックならアストロの安いトルクレンチで十分です。
最後に、カシメ部分をちょい潰して装着完了!
オフロードコース走行後も緩んでなかったので、この程度のカシメでOKでしょう。
ここで作業終わり!…と言いたいけど、もう少しだけ続くんじゃ。
⑥チェーンの張り調整
WR250Rには、フロントスプロケットを12Tにしたらギア抜けするという不具合があります。
なので、結構きつめにチェーンを張らないとNG。
サービスマニュアルによると、標準チェーンたるみ量は80mm~130mm。
ギリギリの80mmに設定!
一人でやるとめんどくさいですね、張り調整…。
※作業後追記
マニュアルよくみたら8.0mm~13.0mmでした。うわああああ!!!
ここまで来れば、あとはチェーン掃除しておしまい。
よっしゃあ!テスト走行じゃ!
テスト走行
かなり良い感じだ!
別バイクか?って思うぐらいトルク上がってビビる。
エキサイティングで楽しい!!!
ただ、発進時や加速時に何度かコマ飛びの減少が。
80mmギリギリに設定したはずなんだけど、まだ緩いのかな…。
そりゃそうですよね、間違えて10倍のたわみ量で調整したんだもの。
オフロードコースでの走行結果
翌日のクロスパーク勝沼『オフアスレチック』イベントで走行しましたが、かなり調子が良い!
- 確実にトルク感が増していて、回転数が落ちても以前ほど不安感がない。
- 自走で会場まで行ったけど、高速も余裕!100kmは全然出る。
- 燃費もそこまで気にならない。
やって良かった!といえるカスタムでした。
必要な工具・道具
- カバー脱着用:8mmのレンチ(メガネレンチを推奨)
締め付けトルク10Nm - カシメ起こし用:精密ドライバーなどの小さいマイナスドライバー
- カシメ起こし用:ハンマー
- ナット用:27mmボックスレンチ、トルクレンチ
締め付けトルク95Nm - チェーン調整用:10mm、12mmレンチ、スケールまたは定規
(27mmボックスレンチ、トルクレンチは共通)
まとめ
オフではメリットしかないし、オンでもほぼデメリットなし!
大きなトルクアップを体感できる良カスタムなので、気になった方は試してみてはいかがだろうか?
以上!!!
かなり昔の記事ですが、たるみ8.0mm~13.0mmはWR250Xの方らしく、実際のところRの規定は38mm~48mmとのことです。
参考記事(ヤマハ本家): https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yamaha-motor-life/2008/06/20080610-001.html