整備・カスタム

YZ250Xのキャブセッティングを考える

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おばんです。すじにくです。

ここ1年ほどYZ250Xのキャブセッティングについて頭を悩ませてきましたが、大体セッティングが決まってきたので記事にします。(2022年1月現在)

ノーマルのセッティングは濃すぎる

エンデューロ界隈では有名みたいですが、YZ250Xのノーマルセッティングは非常に濃いです。
一度テストライダーの鈴木健二さんに話を聞く機会があったのですが、出荷時のキャブセッティングは常に全開カチ回しでも焼き付かないほどの濃いセッティングになっています。

要は、クレーム・故障対策で濃くしているということ。

なのでユーザーフレンドリーなセッティングではないですね…。

そんな感じなのでプラグがソッコーでカブります。
最初は良くてもちょっと回したらあっという間にカブる。
そうなると再始動は困難になります。

実際、勝沼のNextRidersや日野カンではまるで再始動ができずキック地獄に陥りました。

ぼく
ぼく
そんなわけでキャブセッティングに取り組み始めました。

ノーマルのキャブセッティング

ノーマルのキャブセッティングは以下。

  • メインジェット:178
  • パイロットジェット:50
  • パワージェット:50
  • ジェットニードル:N3EW
  • ニードルクリップ:上から2段目

この設定でめちゃんこ濃いです。これを基準に考えます。

YZ250Xのキャブの構造

キャブセッティングに当たり、まずはキャブの構造から確認していきます。
YZ250XのキャブはケーヒンのPWK38がベースの模様。

いじれる部分

セッティングでいじれる部分は以下。

  • 油面
  • メインジェット
  • スロージェット
  • パワージェット
  • パイロットエアースクリュー
  • ニードル
  • ニードル段数

実際にセッティングをしてみます。

①油面のセッティング

油面が高いとオーバーフローや混合気が濃すぎるなどの問題が起きます。
逆に油面が低いと混合気が薄くなり、焼き付きなどの原因に。

ジェットのセッティングの前に、まずは油面の調整からやっていきます!

ぼく
ぼく
まず現状(出荷時)の油面をチェックしてみます。
標準の油面セッティングについて

標準の設定は6.5mm。 それに対して、出荷時の油面状態は・・・

出荷時の油面

なんと3.56mm
逆さまにした状態での測定なので、標準より3mmほど油面が高いということになると思う。おい!めちゃくちゃ高いやん!

そこでしっかり標準値に近づけるように調整を施す。

セッティング後の油面 油面目視

良い感じに設定できました。
思い切って板バネを曲げてこれなので、まだ調整してない人はやった方が良いと思います。

友人K
友人K
3mmも高いのは衝撃だったな。

②ニードル段数のセッティング

ニードル段数のセッティングは追加パーツが不要なのですぐできます。
標準の2段から1段に変更を行いました。(中速域が薄くなる方向)

これに関しては【こうしてる人が多い】という理由で1段にしており、あまり自分の意志はないですw

2段から1段に変更。

あと、ジェットのセッティングだけでも迷宮入りしそうなのにニードルも考え出すと訳わかめ状態になるというのも理由です。

お次はメインディッシュのジェットについて。

③ジェットのセッティング

結果からいうと、以下の設定で落ち着いてます。

春・夏・秋用
  • メインジェット:168
  • スロージェット:42
  • エアスクリュー:1と1/4回転戻し
  • パワージェット:50(標準)
冬用
  • メインジェット:170
  • スロージェット:45
  • エアスクリュー:1と1/4回転戻し
  • パワージェット:50(標準)

このセッティングで山やレースでカブることは無くなりました。
セッティングの狙いとして、ちょっと濃い目にしてトルク重視&回転数を押さえるという意図があります。

完全燃焼でパリパリの燃調だとパワー出過ぎ&すぐ高回転まで回るのでエンデューロに使うにはかなりシビアだと思います…。(僕の意見です)

そこで濃い目にして、トルク感や粘り感を出しているつもり。

パワージェットに関しては色んな媒体でOFFにするカスタムが紹介されていますが、僕程度のスキルではOFFにしても違いがよく分からなかったので上記のセッティングで運用してます。

エアスクリューに関しては、現地の状況を鑑みて調整をしてます。
薄いようなら締める、濃いようなら緩める、という感じ。

ぼく
ぼく
メインジェットは1段ずつ上げても良いかも。まだまだ探求中です。

ジェットはヤマハ純正だと1個1000円近くするので中華ジェットを使ってます。
1年使ってますが問題ないです。

その他の箇所のセッティング

次はキャブセッティングとは違うけど、関係ある部分について書いていきます。

④プラグのセッティング

標準のプラグは8番なんだけど、これも焼き付き防止のためか熱価が高めだと思います。
現在は7番で運用してます。
6番を使ってた時期もありましたが、あまり違いが分かりませんでした。

ぼく
ぼく
サービスマニュアルには7番から9番までのプラグを使うこと、と記載があったので念のため7番って感じですね。
友人K
友人K
BR7ESはレースプラグじゃないが全く問題ないな。

ちなみにプラグは番手が高いほど高温に強くなり溶けにくくなりますが、カブりやすくなります。
番手が低いと高温で溶ける可能性が高まりますが、カブりにくくなります。

プラグが解けるとピストンに多大なダメージが入るので番手を下げるときは注意してください。

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⑤オイルの混合比

サービスマニュアルには30:1と記載されていますが、これも濃すぎるような印象なので50:1でやってます。

30:1の時はマジで即カブってましたね…。
あとマフラーからネチャネチャしたオイルが垂れてきて不快になります。
50:1ならオイル垂れは無し。

銘柄はみんな大好きヤマルーブ2Rです。

銘柄でもかなり特性が変わるみたいですが、今のところヤマルーブ2Rで全然イケてます。ケンジ先生は「ハードエンデューロに使うならヒロコーが良いかな」って言ってました。

クロスカントリーで回せる人なら40:1でも良いかも。
僕みたいな回せないへたっぴなら50:1でOKですね。

ただ、オイルが濃い方がトルクが出やすいという話もあるので、40:1~50:1の間で試行錯誤してみようと思います。

ぼく
ぼく
2stはいじれるところが多すぎて沼ですね…。それも面白いところではありますが!

噂のヒロコーはこちら。ヤマルーブが尽きたら使ってみようと思います!

⑥圧縮比の調整

圧縮比を下げることで、パワーを押さえエンブレ耐性をあげることが出来ます。
ついでにキックも少しだけ軽くなります。

僕がやってる方法はプラグにワッシャーを噛ませる方法。

こんな銅ワッシャーをプラグに噛ませます。
これが標準状態。
ここにワッシャーを噛ませて・・・
こんな感じ。
ただ、これだとオイルが漏れてくるのでスレッドコンパウンドを塗りたくってます。

銅ワッシャーは1.0mmを1枚かませてます。
エンジンのピックアップが弱くなってかなり乗りやすくなりました。

2枚かませるとピックアップが弱くなりすぎて乗りにくい気がしたので1枚。

あとフライホイールを重くしたりとかやってます。

【YZ250X】ヘビーフライホイールを装着したら激変した話YZ250Xにファクトリーフェアルのヘビーフライホイールを装着。モトクロッサー風味のYZ250Xがエンデューロレーサーっぽくなり乗りやすくなりました!...

自分がやっているセッティングは以上!

まとめ

僕のYZ250Xのキャブセッティングについてまとめました。
吊るしではかなり厳しいバイクなので、困ってる人の助けになれば幸いです。

ただ、あくまで僕のセッティングはこれ!という話なので、
人によって最適解は異なりますし、最悪の場合バイクが故障するかもしれません。
試すときは自己責任でお願いします。

以上!!

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